法学研究科では、「学位授与に関する方針(ディプロマポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラムポリシー)」、「入学者の受入れに関する方針(アドミッションポリシー)」を以下のように定めています。

学位授与に関する方針
(ディプロマポリシー)

  1. 法学研究科における学位授与の方針
     修士の学位は、各自の専門分野や周辺領域に関する科目につき所定の単位を修得するとともに、修士学位請求論文において、当該分野や社会に存する問題を析出した上で、独自の視点から考察を行い、論理的帰結を導くことができたと評価された者に授与される。
     博士の学位は、博士学位請求論文において、従来の基礎的研究を十分に咀嚼した上で、独自の視点からそれらの問題を再解釈・再定位する専門的な分析を示し、学界に何らかの寄与ができたと評価された者に授与される。

  2.  民事法学専攻および公法学専攻における「修士(法学)」の学位授与の方針
     法律学的見地から社会の様々な事象や問題を捕捉・分析し、社会や学問の進展に寄与しようという意欲をも持って、自身が専門とする領域における法律学の知見を深め、様々な法制度を支える基礎法理論・法的論理を修得することが求められる。修士学位請求論文においては、社会に生起する諸問題について、従来の議論を客観的に整理検討した上で、これを法的視点から分析し、法的論理に基づき主体的に判断しつつ、自らの主張を説得的に表現することのできる研究能力・実務能力を示すことが求められる。

    * 宇宙法専修コースでは、上記の点に加えて、宇宙活動の法務担当者としての資質を備えるに至った者に修士(法学)が授与される。

  3.  政治学専攻における「修士(法学)」の学位授与の方針
     政治学的見地から社会の様々な事象や問題を捕捉・分析し、社会や学問の進展に寄与しようという意欲をも持って、政治思想論、政治・社会論、日本政治論、地域研究・比較政治論、国際政治論のうち、自身が研究する領域の専門的知見を深め、政治学ないしは社会学全般にかかわる理論、思想、歴史などの基礎的素養を修得することが求められる。修士学位請求論文においては、政治学はもとより社会科学全般についての幅広い学理と、絶えず変化し続ける現実社会の緊張関係を意識しながら、政治学的視点から高度に理論的かつ実践的に社会事象を分析する研究能力・実務能力を示すことが求められる。

    * 公共政策専修コースでは、上記の点に加えて、高度専門公務員・政策専門家としての資質を備えるに至った者に、修士(公共政策)が授与される。
    * ジャーナリズム専修コースでは、上記の点に加えて、ジャーナリストとしての資質を備えるに至った者に、修士(ジャーナリズム)が授与される。

  4. 「博士(法学)」の学位授与の方針
     社会科学を究めるべく、社会の諸事象を科学的に分析し、問題の発見と解決を図ること、そして、法律学・政治学の学問的発展に寄与することを強く意欲しつつ、法律学・政治学それぞれの分野における高度の専門的知識を有していること、そして多角的・客観的視点から考察を加えるのに必要となる諸外国の法律学・政治学に関する知見も十分に有していることが求められる。博士学位請求論文においては、社会のなかから問題を発見し、処理し、解決を図る上で必要となる精緻な分析・判断能力と、ひろく諸外国の知見や国際的な視点を採り入れるための高度の外国語能力、そして、自らの研究成果を的確に伝えることのできる表現能力を示すことが求められる。

教育課程の編成及び実施に関する方針
(カリキュラムポリシー)

法学研究科全体のカリキュラム・ポリシー

 本研究科では、個々の専門領域における研究を集中的に深める「特殊講義」「特殊研究」「特殊演習」、特定の専門領域を複数教員の参加によって幅広く多様な視点で検討する「合同演習」、実務家などの講師を招き学際的分野の議論を拡充して把握する「総合合同演習」などの授業が設置されている。また、今日的課題について多角的・多面的に考察する視点を養うことをめざして設置されている「プロジェクト科目」は、現代性の高い特定のテーマに絞った内容で塾内外の専門家を招きながら議論を重ねるものである。なお、他研究科設置の科目の履修を可能とする「専修ユニット」というカリキュラムも用意されている。

修士課程における
研究教育の方法とプロセス

 修士課程では、上述のような多彩な科目を履修するとともに、修士課程の入学選考に際して提出・審査された研究計画書に基づき、指導教員の指導のもとで修士学位請求論文執筆のための研究がすすめられる。修士論文の締切は毎年1月の所定の日であり、論文を提出しようとする者は、提出の前年11月の所定の期間内に論文題目を提出しなければならない。
 なお、学際的な専門性の深化を図るべく、経済学研究科、商学研究科での学習・研究もすすめ、3年のうちに複数の修士学位を取得できるデュアルディグリー制度も導入されている。

後期博士課程における
研究教育の方法とプロセス

 後期博士課程においては、所定の単位を取得することのほか、比較的早期に質の高い博士論文の完成・提出を促すべく、次のような研究指導の方法、スケジュールが定められている。まず1年次においては、「博士論文研究計画書」の作成・提出が必要とされており、同課程標準年限の3年間において進められるべき、博士学位請求論文に結実する学習・研究計画、研究方法の設計などを具体的に明記することが求められる。
 博士学位請求論文の作成方法については、「積上方式」と「一括方式」のいずれかを選択しなければならない。積上方式の場合は、在籍中に公刊した2本の論文が、それぞれ「論文指導Ⅰ」、「論文指導Ⅱ」として単位認定され、さらに総括としての研究報告が「合同論文指導(論文指導Ⅲ)」として単位認定されることによって、論文提出の資格が与えられる。一括方式の場合は、積上方式のようにいくつかの論文を順次公刊するのではなく、後期博士課程の修了時に論文をまとめあげる形をとるものである。
 なお、法学研究科は、「慶應義塾大学大学院博士課程教育リーディングプログラム(オールラウンド型)」に加入しており、このプラグラムのRAとして採用された院生は、他の研究科を第2研究科として選択することにより、デュアルディグリーが可能となっている。

宇宙法専修コース
(公法学専攻・修士課程)における研究教育

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と密接な連携の下に、わが国における宇宙法の研究教育拠点となり、宇宙活動に携わる新進気鋭の法務担当者の養成を目的として研究教育を行っている。専修コア科目(必修)として、「国際宇宙法入門」「国際宇宙公法」「国際宇宙私法」、専修コース科目(選択必修)として、「航空法」「安全保障と宇宙」「宇宙法総合合同演習」等の宇宙法関連科目のほか、憲法や行政法、国際法といった実定法科目からも一定単位を取得し、さらに専修選択関連科目として、地域や国際政治、国際金融などの科目の履修が求められる。

公共政策専修コース
(政治学専攻・修士課程)における研究教育

 「政治」に強い公務員・政策専門家を養成するための研究教育を行っている。「プロジェクト科目・公共政策論」を専修コア科目(必修)とし、指導教授の特殊研究、国家公務員総合職試験の行政(政治・国際、法律、経済)区分に対応した、ガバナンス・国際政策、法政策、経済政策の各分野に関連する政治学専攻科目を専修コース科目(選択必修)として、政治学および関連領域の諸科目の履修が求められる。

ジャーナリズム専修コース
(政治学専攻・修士課程)における研究教育

 「政治」に強いジャーナリストを養成するための研究教育を行っている。「政治・社会論合同演習(ジャーナリズム)」を専修コア科目(必修)とし、法学研究科と社会学研究科に設置されているジャーナリズム・メディア関連科目(ジャーナリズム論、マス・コミュニケーション論、政治コミュニケーション論、メディア産業・政策論、国際メディア論、メディア法制)を専修コース科目(選択必修)として、法学研究科政治学専攻の諸科目や、メディアコミュニケーション研究所の設置する「取材論」「文章作法」「時事英語」「時事問題」「放送特殊講義」「新聞特殊講義」等の科目の履修が求められる。

入学者の受入れに関する方針
(アドミッションポリシー)

修士課程

 大学学部における基礎的な幅広い教養の修得を前提としながら、今日的課題に対する創造的な批判精神を有し、専門的知識をさらに深化させ、その実践面での応用などについても積極的に学び考究することのできる素養と意欲を有していることが求められる。

後期博士課程

 自らの行ってきた研究をさらに発展させ、その成果を学界や社会に向けて発信し、もって学問や社会の発展に寄与することのできる高い能力と強い意欲を有していることが求められる。

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