政治学専攻・修士課程に設置された公共政策専修コースでは、「政治」に強い公務員・政策専門家を養成するための研究教育を行っています。

 欧米の主要大学では、政治家や公務員等の政策専門家を養成するために、修士課程レベルに公共政策系大学院が設置されており、日本でも、専門職大学院制度(2003)に基づく公共政策大学院やさまざまな公共政策系大学院が設置されるようになりました。こうした背景の下、本研究科にも2009年4月に公共政策専修コースが開設されました。

 本コースのカリキュラムにおいては、「プロジェクト科目・公共政策論」を専修コア科目(必修)とし、指導教授の特殊研究/演習や、国家公務員採用総合職試験(院卒者試験)の行政区分に関連する、政治学、国際関係、法律等の各科目を専修コース科目(選択必修)として履修するプログラムが用意されています。

 課程を修了し、高度専門公務員・政策専門家としての資質を備えるに至った者には、修士(公共政策)が授与されます。

修了生からのメッセージ

いまの土台となった2年間

上野 麿里奈

 私は現在、国立国会図書館調査及び立法調査局で勤務しています。国政審議に関わる政治等各分野の調査及び情報提供を通して、国会の立法活動の補佐をすることが現在の職務です。

 業務上、担当分野(私の場合は選挙関係です)に関する大量の書籍や記事・論文を読み込む必要がありますが、そのためには大学院で得た知見がいきてきます。学部生時には他学部に所属しており、公共政策コース入学後に政治学・行政学的な思考方法を身につけるため大変な苦労をすることになりました。知識だけなら独学でもある程度学ぶことは不可能ではありません。しかし、ゼミ形式が中心となる大学院の授業では、表面的な知識では追い付かず、常に社会の情勢に気を配り、さらに自らの思考を踏まえて意見を述べる能力が求められました。

 公共政策コースでは、修士論文の完成をゴールとして、毎週の公共政策論という授業で生きた公共政策学への理解を深めていきます。この授業は座学もあったのですが、実務で活躍されているゲストスピーカーや教授方の講義内容の中には、現在の業務に直接役立っているものもあります。修士論文執筆時は非常に厳しい指摘をたくさん受け、苦しく感じましたが、それを乗り越えた経験は、今自分が論文を読み、分析する力の基盤となっています。

 新たな学問領域に飛び込んでもがいた2年間は、確実に現在の仕事の土台となっています。




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